一口感話「本堂のグランドピアノ」

2020年02月15日

ヤマハG2・500649(1966年製)(Gはシリーズ、2は大きさ、500649は製造番号を指すそうです)。
このグランドピアノは、私が生まれる前からありました。母はピアノ教室をしていましたので、母や生徒さんが弾いているこのピアノの音色を聞いて育ちました。きっと憶えていないだけで、赤ん坊の頃から聞き続けたのでしょう。私にとっては、思い入れのある一台です。
このグランドピアノですが、母も演奏しなくなったので、本堂に寄贈したいとの話がありました。専門の方に相談したところ、製造から50年以上経過しているので、大がかりのオーバーホールが必要とのことでした。修理するか処分するか悩みました。その時、『阿弥陀経』というお経様の中のある言葉が頭に浮かびました。

青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光

という言葉です。青い花は青いままで黄色い花は黄色いままで、という「そのままで」という世界です。阿弥陀様の目を通して見ると、優劣もなく勝ち負けもなく、それぞれのいのち・ありとあらゆる存在が、そのままで素晴らしい個性の輝きを放ちながら、全体として見事に調和している世界です。
少し古びて小ぶりなグランドピアノですが、阿弥陀様のお心が中心にある本堂であるからこそ、仏教讃歌や演奏会などでその個性の音を響かせてくれると思い、オーバーホールをお願いしました。

先日、3ヶ月のオーバーホールを終え本堂に設置しました。ピアノ調律師の按田様に調整・調律をお願いする事が出来ました。仕上がりはとても素晴らしく、個性の音を十分に響かせています。私にとってもどこか懐かしく思い入れのある音でしょうか・・